ヒロセ通商公式ブログ、日々の売買ポイントをわかりやすく解説。 著者なりの相場観を綴ったもので、実際の投資および取引に関する最終決定は、お客様ご自身の判断において行われるようお願い致します。

2014-08

[全般]地政学的リスクも市場への影響は限定的

先週はまさに度重なる地政学的リスクの嵐に翻弄される一週間となった。
今週はその嵐の混乱が尾を引く中で落ち着き場所を探る週となりそうだ。
先週はポルトガルのBESの中銀による再建が決定したことや、イスラエルとパレスチナが72時間停戦合意などから比較的安心感が広がり始めていた。しかし、その直後にロシアのプーチン大統領が報復制裁の用意を政府に指示を与え、ウクライナ国境には2万人規模の部隊を派遣したとの報道からNYダウが下落。ロシア追加制裁を科した欧米に対し農産物の輸入を禁止する決定をしたことでユーロ圏経済への懸念が拡大しユーロ売りが強まった。また、イタリアGDPが2期連続のマイナスとなりリセッション入りしたこともユーロ売りを促した。更に追い打ちをかけるように、オバマ大統領がイラクへの空爆を承認したことで安全通貨の円買いの動きが一気に強まった。市場は夏休みシーズンに入っているところが多く、市場の流動性が低下する中で地政学的リスクが重なったことで神経質な展開となった。
ただ、週末金曜日のNY市場では株式市場が反発して終了したことでパニック的な動きは一先ず収まった。
オバマ大統領はイラクに対して軍事支援はするが、今後戦闘部隊を展開することはないと言明。プーチン大統領はウクライナ紛争の緊張緩和に乗り出す意向を示すなど、一先ず最悪の事態は回避されるとの見方が広がったためとみられる。
しかし、イラク問題は長期化する構えを示しておりオバマ大統領の指導力が問われるとともに、ドルへの信認を揺らぎかねない。
一方、米国経済指標は確実に回復を示すものの、この地政学的リスクの影響がFRBの金融政策にも影響しかねない。
市場は疑心暗鬼に陥っているような観もあり、ちょっとした動きに対しても過剰反応をしやすい。特に、今回の最も大きな動揺を見せているのが円の動きだ。
ドル自体は他の主要通貨に対してこの一週間大きな変化は見られない。ドルインデックスは81.33から81.46へと若干上昇しただけで終わった。しかも、NYダウは寧ろ小幅ではあるがプラスで引けてきている。一方、日経平均は週を通して750円近く下落。しかし、週末NY株式市場が大幅上昇で引けたことで週初は買いが先行して始まると予想される。また、対円でも一時101円ミドルに下落したものの、週初から見ると1円弱しか円高に振れていない。
これらを見ると、確かに地政学的リスクによる動揺は残るものの、米国経済の回復は続いており、金融政策への影響も限定的とみることもできる。市場が、一時的に過剰反応しているといえる。
今週も流動性の低下による不安定な動きが続くと予想されるが、米国ゼロ金利解除の動きやECBの追加利下げ観測など長期的な流れに変化はないとみる。
地政学的リスクは最初が最も大きなインパクトを市場に与えるが、時間の経過とともに慣れてくる。
為替市場の主役はFRBの金融政策であり、8月21日から三日間開かれるジャクソンホールでのイエレン議長の発言に再び注目が集まることになるだろう。

※上記の内容は、利益の保証をするものではございませんので、ご自身の判断においてお取引ください。




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[米ドル円]リスク回避の円買いも一巡

(米ドル円週足)



(米ドル円時間足)

USD_JPY_20140811_jikanashi.jpg

米国がイラクへの空爆を承認したことやプーチンロシア大統領がウクライナ作戦の継続を言明したことなどが重なり市場は一気にリスク回避の動きが強まった。安全通貨の円に資金が流れ込み上昇。特にクロス円での円買いの動きが目立ち、ドル円を押し下げる要因ともなった。ドル自体はそれ程大きな動きはなく円だけが買われる結果となった。
今週の東京市場はお盆休みに入るところが多く、薄商いのなかで地政学的リスクに関する材料には敏感に反応しそうだ。ただ、先週末のNY株式市場が反発して引けたことで一時のパニック的な円買いの動きは終わったとみる。
週足52週移動平均線の位置する101円40銭手前でドル円は折り返したことで、上値を試すチャンスは残された。フィボナッチの61.8%戻しにあたる102円50銭付近は下落後の戻り高値でもあり意識される。

今週のドル円予想レンジ:105円50銭(61.8%)~101円40銭(52週MA)

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[ユーロ米ドル/ユーロポンド]悪材料出尽くしでショートカバー継続

(ユーロ米ドル日足)



(ユーロポンド8時間足)

EUR_GBP_20140811_8jikanashi.jpg

ロシアに対する追加制裁により、報復措置として農産物の輸入を禁止されたユーロ圏経済への懸念が高まった。また、イタリアのGDPが2期連続でマイナスとなり、リセッションに入ったことから、ECBによる追加緩和への期待が再び高まり金利差拡大からのユーロ売りが強まった。しかし、その後はユーロポンドの巻き戻しが強まるとユーロは対ドルでも上昇。レジスタンスであった0.7980を上抜いたことでもう一段の調整的な買い戻しが入るとみる。
今週はドイツやユーロ圏のGDPやCPIといった重要指標が発表されるが、悪材料も既に出尽くし感があり、好結果に対し市場は反応しやすくなっている。
ボリンジャーバンドの幅が拡大してきたことで値動きも期待できるだけに、BBの中心線を上抜き、半値戻しの1.3515付近が視野に入る。



ユーロドル予想レンジ:1.3515(50.0%)~1.3330



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[豪ドル円]豪ドル円の投げ一巡後の底固め

(豪ドル円日足)



先週はRBA政策会合で為替レートへの強いけん制がみられなかったことで豪ドルは底堅い動きで推移。しかし、その後プーチン大統領が欧米に対し報復措置を打ち出したことや、ウクライナに進行するとの懸念からリスクオフの動きが強まりNY株式市場が急落。
円買いが進み豪ドル円は上値を抑えられた。また、7日の東京時間に発表された豪州雇用統計で雇用者数が予想を下回った。豪州の雇用者数の予想は恒常的なものでそれ程影響は見られなかった。しかし、同時に発表された失業率が6.4%と予想の6.0%を大きく上回ったことで市場はサプライズとなり一気に売りが強まった。豪ドルに対する動揺が冷めやらない矢先に今度は米国がイラクに対する空爆を承認したとの報道で豪ドル円は更に売りを強めた。損切を巻き込みながら93円92銭まで下落。しかし、それらのドタバタ劇が落ち着きを取り戻し始めるとNY株式市場が反発。リスク回避の動きが後退したことで豪ドルの買い戻しの動きも活発となった。
市場全体が薄商いの中でリスク通貨の豪ドル円は荒っぽい動きになりやすい。
先週発表された豪州小売売上や中国貿易収支は改善を示すものとなった。
市場が落ち着きを取り戻し始めると再び豪ドルへの投資意欲が高まるとみている。
今週は東京時間に4-6月期豪州住宅価格指数、中国の小売売上や鉱工業生産の発表があり、依然荒っぽい動きが予想される。先週の安値94円付近の底を再度見極めてから買いを入れていきたい。

豪ドル円予想レンジ:95円50銭(50%)~94円00銭


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商号 : ヒロセ通商株式会社
業務内容 : 第一種金融商品取引業
登録番号 : 近畿財務局長(金商)第41号
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