[米ドル円]金融相場から政治相場へ

米朝首脳会談の中止や米国の自動車輸入税の引き上げ検討、そしてイタリアやスペインの政治リスクなどから一気にリスク回避の動きが強まりドル円は111円ミドルから108円後半まで下落した。
これらのリスクは今週も燻るものだが、そろそろ市場は最初のショックを織り込み始めている。
3月末に104円64銭をつけてから先週の高値111円40銭まで上昇の調整の動きとみており、天井を付けて下落に転じたとみるのは時期尚早。
ただ、5月4日に付けた安値108円60銭を割り込むようならテクニカル的に見ると半値戻しの108円付近まで頭に入れておきたい。
反対に108円後半で下げ止まり110円台を今週のNY終値で上回るようなら上昇トレンドは継続とみる。
市場は金融相場から政治相場へと俄かに変化したことで米長期金利とドルの連動性が低下している。ただ、金利低下によるNY株式市場は底堅い動きが続いており極端なリスクオフによる円高も限定的。
先週末には南北首脳会談が開かれたことで再び米朝首脳会談への期待が高まるようならドル円の反発のきっかけとなる。
今日は米国や英国市場が休場ということもあり値動きは限定的となりそうだが、週末には米雇用統計が控える。
前月の反動で賃金上昇が予想を上回るようなら再び政治相場から金融相場へと転換するきっかけになるか注目。
今週のドル円予想レンジ:110円50銭(61.8%)~108円80銭
※上記の内容は、利益の保証をするものではございませんので、ご自身の判断においてお取引ください。
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[ユーロ円]欧州政治リスクと景気減速で下落止まらず

イタリアで連立政権が樹立し3か月の政治空白は埋まったものの、市場の不安は拡大している。財政規律の悪化に加えEU懐疑派のパオロ・サボナ氏が経済相に就任する可能性が高まったことで今後EUとの火種が懸念される。先週末にはムーディーズがイタリアの格付けを引き下げることを検討し始めるとの報道もありユーロ売りが強まった。
また、スペイン首相に対する不信任決議案の動きがみられ今後注目されそうだ。
更に、ドイツやユーロ圏経済減速などもユーロにとっては逆風が吹き続いている。
また、米朝首脳会談の中止などで地政学的リスクの高まりから円高が加わり先週ユーロ円は今年最安値となる129円50銭を割り込み127円25銭まで下落した。このレベルは週足ボリンジャーバンドの下限であり一先ず下げ止まった。
この下の126円80銭はフィボナッチ38.2%戻しのサポートとして意識されるが、このレベルを下回るようならフィボナッチ50.0%戻しの123円50銭まで目立ったサポートがみられない。
政治リスクも一先ず出尽くし、投げ売りなども一巡した感もある。
しかし、下落圧力は依然として強いことから戻り売りスタンスで臨みたい。
今週のユーロ円予想レンジ: 128円80銭~123円50銭(50.0%)
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[カナダドル円]原油価格の下落と貿易摩擦懸念

ロシアとサウジアラビアのエネルギー相が「現行の産油制限を慎重に緩める用意がある」と言及したことでWTI原油先物は67ドル台に下落した。イランとベネズエラの供給が大幅に減少することを受けたものだ。カナダドルはこの動きを受け下落幅を拡大している。
ただ、総合的な供給量が増えるというわけではなく原油価格の下落は限定的とみてよいだろう。
今週はカナダ中銀BOCの政策会合が開かれる。その結果次第では一段のカナダドル売りが加速する可能性が高いとみる。
世界経済の景気減速やNAFTA交渉の行方への懸念から追加利上げには慎重な姿勢が示されるようなら一段のカナダ売りが強まるとみる。
今週のカナダ円予想レンジ:85円20銭~83円00銭(61.8%)
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[全般]リスクオフの巻き戻しとその反動
前週末に米中通商協議が一先ず終了したことで市場に安心感が広がりドル円は111円ミドル付近まで上昇。このままドル高円安の流れが続くかと思われた。
しかし、その後トランプ大統領が唐突に自動車に対する輸入関税を最大25%に引き上げることを検討すると発表。ドル円は110円を割り込み109円台に下落した。更にトランプ大統領は米朝首脳会談を取りやめると発言したことで地政学的リスクが高まりクロス円が全面安。ドル円は一時109円を割り込むなど円全面高となった。
また、欧州市場でも政治リスクの高まりからユーロを中心とした売りが強まったことでユーロ円の下げ幅が拡大。イタリアでは前週に連立政権が合意されたものの、EU懐疑派のパオロ・サボナ氏が経済相に就任する可能性や財政規律悪化などが懸念されユーロが下落。更に週末にはスペイン首相に対する不信任決議案の動議を準備しているとの報道もありユーロは対円でも下落が加速。
トランプリスクだけではなく欧州政治リスクも重なり市場のセンチメントは楽観から悲観へと一転した一週間となった。
今週もリスク回避の動きが先行して始まると予想されるが、それぞれのリスクを市場は大分織り込み始めており、その反動には注意したい。
トランプ大統領は6月12日も含め米朝首脳会談は今後再開する可能性を示しており、週末には南北首脳会談が再度行われるなど米朝首脳会談への期待が再び高まれば円高の巻き戻しが強まりそうだ。
また、輸入関税にしても25%というのは現実的ではなく、最初に相手を驚かせ、その後緩めていくことで譲歩を狙うといった、いつものやり方だ。
発表時は市場が大きく反応するものの、その後は戻しが入るというパターンがみられる。
また、原油価格の下落も警戒したい。
先週末にロシアとサウジアラビアのエネルギー相が現行の産油制限を慎重に緩める用意があるとの発言でWTI原油先物は3ドル近く下落。原油価格下落は米物価を押し下げるものでFRBの利上げペースが低下しドル売りに繋がるといった見方もある。しかし、イランやベネズエラの供給が大幅に減ることへの代替の動きであり下落幅も限定的とみてよいだろう。
一方で長期金利が急速に低下したことは株式市場にとっては追い風となり円安要因にもなる。北朝鮮の地政学的リスクや貿易関税引き上げによる副作用などへの警戒感などから米長期金利は3%を割り込み2.93%付近まで低下して引けている。金利低下は株式市場にとっては追い風となることからドル安と同時に円安要因となるなど綱引き状態となる。
先週から金融相場から政治相場に移ったものの、その動きは一時的なもので長続きするものではない。
市場の動揺が収まれば再び金融相場に戻るとみており、今週末の米雇用統計前後がそのきっかけになるか注目される。
※上記の内容は、利益の保証をするものではございませんので、ご自身の判断においてお取引ください。
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注意喚起
店頭外国為替証拠金取引は、為替レートの変動等による損失発生のおそれがあり、かつ、その損失が預託証拠金を上回ることがあります。また、想定元本と比較して、少額の資金で取引することができるため、多額の利益を得ることもありますが、短期間のうちに多額の損失を被る可能性があります。 スワップポイントは、受け取れる場合もあれば、支払わなければならない場合もあります。また、将来にわたり、保証されるものでもありません。 取引レートは、2way priceです。売値と買値には差があり、その差をスプレッドといいます。取引手数料は無料ですが、スプレッドがお客様のコストとなります。 個人のお客様の必要証拠金は、想定元本× 4%以上の額で、法人のお客様の必要証拠金は、法令等の規定する方法で算出した為替リスク想定比率×想定元本以上の額となります。
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